吹き替えと字幕のどちらを選ぶべきか

原文(英語)著者:Mo Stone

あなたはある日、短編映画、Web配信番組またはドキュメンタリーを見て感動し、それを別の言語に翻訳してもっと多くの人に見てもらいたいと思ったとします。その場合、その作品には吹き替えと字幕のどちらが適しているでしょうか。ここでは、メディアとエンターテイメントにおけるこの2種類の翻訳方法についてご紹介します。

吹き替えと字幕とは

まず、吹き替えと字幕とは何でしょうか。字幕は、視聴者の使用する言語に訳された文字が画面の下に表示されます。吹き替えは、作品の原語音声が声優によって視聴者の言語で録音されます。

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これは重要なことですが、この2つのどちらかがより優れているというわけではありません。それぞれに長所と短所があります。あなたが翻訳しようとしている作品にどちらが適した方法であるかを決めるには、検討すべき点が多くあります。

良い点と悪い点の比較

字幕派の人は、字幕の方が会話をより原作に近い形で伝えることができると考えています。言語が音声で残っているので、翻訳の質が良ければ、文章をより正確に伝えることができると主張します。また、字幕によって聴覚障害がある人は映像が視聴しやすくなり、さらには、母国語の字幕が入った映像は、言語を学んでいる人の言語学習にも役立ちます。しかし、映像を見ながら同時に文字を読むことは面倒であり、視聴している作品のストーリーを追うのが難しいと感じる人もいます。また、耳で聞くよりも目で読む方が時間がかかるため、文章が短縮されていることもあり、この場合、原作の会話の一部が翻訳によって失われてしまうこともあります。

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吹き替え派の人は、才能あるプロの声優によって音声が視聴者の母国語に吹き替えられるため、より没入感のある体験を生み出すと言います。しかし、声優の演技が大げさすぎたり、音声が映像とずれていたりした場合、吹き替えは気が散ってしまうと感じる人もいます。さらに、吹き替えの言葉を映像の俳優の口の動きに合わせるため、原作の言葉と少し異なる会話にせざるを得ないこともあり、この場合、原作に忠実な翻訳とは言えません。

さらに検討すべきこと

吹き替えか字幕かを選ぶ場合、費用も大きな検討事項です。字幕は翻訳文章を作成するだけなので、吹き替えと比べ格段に安くなります。一方で吹き替えを選ぶ場合、台詞の翻訳作業だけではなく、声優を雇い、時間とお金をかけて新しい音声トラックを完成させなくてはなりません。最新映画の場合、吹き替えにかかる費用は字幕の10倍ほどにもなり、編集に6〜12週間の追加期間が必要となります。しかし、吹き替えにかかる費用の回収が可能であれば、その価値があるかもしれません。

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もう1つの重要な要素が、視聴者の国と年齢です。小さな子供を対象にした作品であれば吹き替えを選ぶべきですし、年齢がもっと上の子供や大人を対象とした作品であれば、字幕の方が適しているかもしれません。視聴者の国も、どちらを選ぶかを決める要素となり得ます。その国の視聴者がどちらかの方法に慣れている場合があるからです。ヨーロッパを見てみると、例えばフランス、ドイツ、イタリア、スペインでは吹き替えが好まれる傾向があり、ギリシャやスカンジナビア諸国の視聴者は字幕を読むことに慣れています。

どちらを選ぶべきか

あなたが翻訳しようとしている作品には吹き替えと字幕のどちらを選べばよいかを決めるには、費用や視聴者、さらに原作に忠実な翻訳とするためにはどちらが適しているかなど、多くの要素の検討が必要となります。次の段階に進むために、ぜひ当社ボーダレス・トランスレーションズHPのサービスをご覧いただき、ぜひご相談ください。

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