世界のハロウィン

原文(英語)著者:Mo Stone(モー・ストーン) 涼しい季節になってくると、10月の終わりにやってくる楽しみなお祭りがあります。ハロウィンです。現代では人気が高い、この「イタズラとお菓子」の楽しいお祭りは、どこで始まったのでしょうか。そして、一体どこでコスチュームに着替えたらよいのでしょうか。ここでは、この誰もが愛する不気味なお祝いについて紹介していきます。 サウィン祭とアイルランド:ハロウィンの始まり ハロウィンは実は非常に古い祝日であり、アイルランドとスコットランド発祥の古代ケルトの祭りであるサウィン祭がその始まりです。これは収穫期の終わりを祝い、暗く冷たい季節の始まりを迎える祭りです。年に一度この夜、亡くなった人の魂が実世界へ渡ってくることができると信じられていました。人々は闇を退けるために火を焚き、悪い魂を混乱させ追いやるために仮装し、ジャック・オー・ランタンを作りました。「トリック・オア・トリート(お菓子をくれなきゃイタズラするぞ)」の慣習も、サウィン祭が始まりです。当時は、祭りを騒ぎ楽しむ人たちが家から家を訪ね、食べ物と引き換えに詩を詠みました。エディンバラやダブリンは、現在でも大きなお祭りが一部残っている土地であり、今日の旅行者も現地を訪れてサウィン祭を体験することができます。 アイルランドでも、進化し他の伝統が加わったハロウィンが全国的に祝われます。アイルランドのハロウィンは、イタズラと占いが大きな特徴です。子供たちは、近所の家の扉をノックして走って逃げるというイタズラをし、自分のバームブラック(伝統的なフルーツケーキ)の中に指輪を見つけると、もうすぐ結婚するという言い伝えがあります。 アメリカの伝統と現代の解釈 米国では、19世紀までハロウィンは一般的な祝日ではありませんでした。しかし、アイルランドとスコットランドからの移民が急増すると急速に広まっていきます。今日では、世界中の多くの人がアメリカの伝統やアメリカのメディアで取り上げられる様子を見て、ハロウィンについて知っています。広く普及しているハロウィンは、このアメリカのバージョンです。 米国のハロウィンは、無邪気な薄気味悪い楽しさをみんなで味わう日です。子供たちは仮装して近所にトリック・オア・トリーティングに行き、お菓子をもらうのが普通です。大人はパーティーを開いたり、お化け屋敷、ホラー映画の上映会、仮面ダンスパーティーなどのイベントに出かけたりします。現在のハロウィンは、かなり商業的な祝日となったことは事実で、アメリカ人が多くのお金を費やす祝日の1つでもあります。アメリカ国内のあちらこちらで思い出に残るハロウィンを体験することができます。例として、悪名高い魔女裁判が行われた土地である、マサチューセッツ州セイラム、アメリカで1番のゲイの夜の街である、カリフォルニア州ウェストハリウッドの有名なストリート・フェア、アメリカのブードゥー教の故郷である、ニューオーリンズなどが挙げられます。  最近では、伝統的にハロウィンを祝う習慣がなかったフランスやドイツなどの多くの国で、アメリカ流のハロウィンが普及しています。日本では、東京で大人が仮装して集まる日として定着しています。ルーマニアのトランシルバニアでは、あの有名な不気味な話を上手く利用し、ドラキュラやハロウィンをテーマにしたツアーやパーティーが開かれます。 Día de Los Muerto(死者の日):死者を祝うメキシコの祭り しかし、これらハロウィンのお祭りは、どれもDía de Los Muertos(死者の日)の前には色あせて見えます。「死者の日」は、メキシコ、ラテンアメリカ、スペインで死者を祝って行われる、3日間に渡るお祭りです。10月31日には、亡くなった人の魂がこの世の家に帰ってくると信じられています。彼らをたたえるため、人々は家の中や職場に祭壇を作り、そこに花、菓子、写真、死者が生前好んでいた食べ物やアクセサリーなどをたくさんお供えします。 祭りの期間中は、どんなに小さな町も、パーティーやご馳走、音楽や踊りで、生き生きと華やかな雰囲気となります。ガイコツの格好をした人々の色鮮やかなパレードや、伝統的な音楽のマリアッチを奏でるバンドでさらに興奮が高まります。11月2日になると、人々は親類の墓に集まり参拝します。祭り全体が死者のために行われるものであり、中には薄気味悪い見た目の表現もある一方で、この祭りは結局のところ、命を祝い、先祖への敬意を表す手段なのです。 あなたはハロウィンを祝いますか。この魔法がかったお祭りを祝う、あなたのお気に入りの方法があれば、ぜひ下のコメント欄で教えてください。